雪の日の一番印象深かったこと
また雪が降りましたね。
こんな雪の深い日には、ちょっと昔の事を思い出します。
もう10年以上も前ですね。私が中学2年生だった頃、
とある雪の日の学校の敷地内に忍び込んだんです。
その日は夕方から雪が降り始め、すぐ止むかと思ったら夜まで降り続けたんです。
部活の生徒もみんな帰る時間を過ぎても雪は降り続け、気が付けばもう10時過ぎ、
未だにぼたん雪は窓の外を舞っていました。
子供でも犬でもないんですけどね、ちょっとテンションが上がっちゃって、
いつも以上の厚着をして外に出てみたんです。
一面の銀世界、ちょっと明るい夜の世界、誰もいない世界、
私の経験したことのない世界がそこには広がっていました。
徒歩で10分もかからない場所にある中学校へ歩いて行きました。
途中の自販機で缶コーヒーを買って。
学校のグラウンドに着くと、足跡一つ付いていない銀世界が目の前一面に広がっていた。
グラウンドというレフ板が照らし出す見慣れた校舎、
いつもは人で溢れかえっているのに、その気配の全くしない学校。
少し冷めた缶コーヒーが体の隅々にまで染み渡り、
耳にはめたイヤフォンからは流行りのウインターソングが流れる。
その場に腰を降ろしどれくらいの時間が経ったのでしょうか。
気が付くと家を出た時より遥かに肌寒く感じ、足早に学校を後にしました。
帰り道でまた缶コーヒーを買い、ポケットに入れたまま真っ直ぐ家に向かう、
耳元で鳴る音楽と自分がリンクした瞬間でした。
そんな、雪の降る日を楽しんでいた中学時代。
毎年、今日みたいな雪の降る日は
あの日の事を思い出したりします。
雪の降る所
私は雪の降る所で生まれ育った。
時期になると雪が降るのが待ち遠しくなる。
でも今住んでいるところはよほどじゃないと雪は降らない。
変な話だけど雪の降る前って雪の匂いがする。
音もなくふんわり落ちてくる雪を見上げてるのが好きだった。
子供のころは公園の真ん中で寝っ転がって雪が降るのを眺めたりもした。
怒られたけど。
そうそう、真冬になると雪が凍るんです。
雪渡りっていうお話がありましたよね?あれ、現実にできるんです。
ただ雪を踏みしめるだけの音。
雪の上をどこまでも歩ける。
いつも見ている景色がなんだか違うように見えて、違うところへ行けるような気がして。
子供って冒険にワクワクするじゃないですか。
そんなことをやっぱり時期が来ると思い出しちゃいます。
帰りたくなるんですよね。
もう何年戻っていないかな。
年なのかもしれない、こんなこと思いだすって。
地元にはもう誰もいないのだけどなんだか帰りたいなぁ。
今年は無理だけど来年は雪が降るころ帰ってみようかなぁ。
いい思い出ばかりがあるわけではないけれど、どちらかといえば悪い思い出のほうが多いのだけど。
離れてからずっと帰りたいと思っていたんだと思う。
でもいろいろ言い訳をしていろいろ都合を作って帰らずにいた。
そろそろ一度は帰っておかないとなんて思い始めている。
何年もあっていない友人にも連絡とってみようかな。
地元でしか食べられないパンも食べたくなってきちゃった。
そろそろいいのかも、一度帰ろう。